東京アリス 千秋楽

土日は一般の舞台ではほとんどありえない1日3公演で、今日は千秋楽。
キャストの皆さん、スタッフさん、お疲れ様でした。
自分は2公演だけ観劇しましたが、フル参戦されたツワモノはおられるのでしょうか?


最終日はアドリブがけっこう多かったようですね。見に行きたかった…。
特に、さゆりっちぃがちょっとだけポールダンスしたとか!


ポールになりたい


と思ったアフォな吉ヲタは自分だけではないはず!w


何にせよ、無事に幕が下りて良かったです。




さて、ここからは東京アリス勝手に反省会会場です。
かなーり辛口なので、読みたい方だけどうぞ。




原作はあえて読まずに観劇してみたのですが、ぶっちゃけて言うと、「作り手側は演者を使って舞台上で何を伝えたかったんだろう?」というのが最後まで分からなかった舞台でした。脚本・演出を担当した人はフジテレビのドラマ制作センターの人だそうですが、出演者毎のエピソードが多く、テーマが絞りきれていないため、ストーリーがとても平坦な感じがしました。ドラマでしたら1クール10〜12回に分けて視聴者に徐々に伝えるという手法が取れますが、2時間枠のドラマとしても成立していないと思います。特に出演者毎のエピソードが多い割には有機的に繋がっていないので、どのエピソードも説明的で詰め込み過ぎなのは残念でした。


極端な話、「有栖川ふう」の一人芝居にするか、ふう役は舞台上に出てこないで「有栖川ふう」のエピソードを語る他の出演者にするか、など、大胆な演出が必要だったのではないでしょうか。


おそらく、素人の自分が指摘しなくても、脚本・演出を担当した人は上記の問題点などとうに分かりきっていたのでしょう。手を打てなかったのは、UFG(アップフロントグループ)、スペースクラフト、北区つか劇団の思惑が交錯して、ギリギリの落とし処がここだったのかもしれません。


さて、事務所側がこの舞台に石川梨華さん、吉澤ひとみさん、小川麻琴さんの3人にこの仕事を割り当てた理由はなんでしょうか。3人とも次の舞台が控えていますので、ラブシーンなどの予行演習?それとも、既に何か問題が起きていて、表面化した時の耐性付け?どのような意味合いがあったとしても、3人とファンが大事にしてきたことをどう捉えているのか、事務所側に問いたいです。また、吉澤さんのファンは吉澤さんのビジュアルやアドリブだけが目当てなのではありません。彼女の内面も含めて、丸ごと大好きという人が多いので、「見れりゃいいだろ」的な感覚で捉えていたとしたら、猛省を促したいです。


吉澤さんに関しては、まずは、台詞を噛む、声が小さい、アドリブに執着しすぎ、という問題点が挙げられます。前の2つは改善の見込み有り、後の1つはストーリーや環境に拠るのかな。今度出る舞台では是非アドリブに頼らずに、ストーリーや演じる力で我々を楽しませて欲しいです。そして一番の問題点は「役柄をモノにしていない」ということ。特にヒヤマ(関西弁)とのホテルでのシーン。円城寺さゆりとして最大の見せ場のはずなのに、会話が噛み合っていない上、声のトーンが一本調子で、感情の表現に工夫が感じられませんでした。これはヒヤマ役の人も同様なので、脚本・演出の責任と言ってしまえばそれまでなのですが、「こう変えた方が観る人がまだ納得する」と一歩踏み込んで欲しかったなぁと。租借しきれていないものをお客に披露することが吉澤さんのためになるとは思えません。とても難しいことだとは十分理解していますが、お仕着せの演技で終わる人ではないと思いますので、次回の舞台では是非成長した姿を見せて欲しいです。


まあ、長々と書きましたが、やっぱり内輪舞台は色々問題含みですね。せっかく板の上に立つ機会を設けるなら、外部舞台がだんぜんいいです。安直なラブシーンは勘弁ですが、演じることの喜びが伝わるような舞台で、その大きな瞳同様、輝いて欲しいですね。